不良対策のやり方

機械設計

 よくものづくりの会社では、不良対策会議が開かれ、原因追及と対策、改善をやっていますよね。私も不良をよく起こしましたし、対策案について議論する会議にも参加していたことがあります。そこで話し合われる内容があまりにも不十分に感じていろいろ調べましたが、どこかの大企業のお偉いさんが偉そうに難しい言葉で並べたものばかり…。ちょっと違う視点からわかりやすくまとめてみました。

ポイント1:人のせいにしてはいけない

 ある不良が起こった場合、突き詰めていくと、○○さんのせいだ!という結論にしてしまいがちです。これではなんの解決にもなりません

 例えば、図面を間違えたせいで、カバーが取りつかなかったとします。不良対策のための話し合いで、以下のようなことをしていては意味がないです。

  • 図面を描いたAさんが間違えたからAさんのせいです。
  • いや、図面はBさんもチェックしているか、Bさんも悪いです。
  • いやいや、図面をみた製造部門のCさんもこの間違いに気づけるはずでは。
  • そもそもこんな図面を書かせるような仕事をもって来た営業のDさんも悪いでしょ。

 不良対策で重要なのは犯人を特定することではなく、次起こさないようにするにはどうするかが一番大切ですよね。人のせいにすることは解決にはなりません。

ポイント2:仕組み(システム)を変更する

 不良の対策をするには、仕組み(システム)の変更しかありません。

 例えば、先程のカバーがとりつかないということに対する対策ですが、色々提案することはできます。

  • カバーを設計するときにチェックが漏れたのなら、チェックリストの項目を一つ追加してみる。そもそもチェックリストがない場合は作る。
  • 製造の人もチェックしてから出図をする。
  • カバーを取り付けることがないように他の部品と一体化してみる。
  • カバーを制作する優先順位を上げて、とりつかないことが早めにわかるようにする。

 みなさんが想像している「カバーがとりつかない」というイメージが違うと思いますので、その場その場でのベストな選択肢は自ずと決まってきます。

 大事なのは仕組みを変更することです。

 例えば、チェックリストの項目を一つ増やすと言うのはチェックのルール変更、つまりシステムの変更です。

 仕組みの変更は通常下っ端の人間ではできないので、社長や役職の人間が品質について常日頃から意識してシステムを改善していく必要があります。

 品質が悪く、不良が耐えないのは、できない下っ端社員の力量の問題でもなく、自己研鑽が足りないせいではありません。不良が起きてしまうようなシステムを変えるべくして変えていない、品質意識の低い取締役のせいです。イチ社員が気にする必要はないのです。

 もし、あなたが下っ端社員で、システムを変更したほうがいいと思っていたら、品質管理部門や上司へ直談判しましょう。そこが変わらなと治りません。

 

ポイント3:信頼する

信頼された者は成長する。信頼した人も成長する。

 ミスを攻め立てたところで、ミスはなくなりません。説教後に命令、強制ではまたミスします。気持ちが入っていないからです。

 もうミスしてほしくない!と思うのであれば、「こいつはまた間違うはず」ではなく、「こいつはもう心配しなくて大丈夫!」と言う風に、まず、相手のことを信頼することが大事です。

 では、どのように指摘すれば、自分が「大丈夫!」と思えるようになるでしょうか?

 ミスの指摘の仕方で参考になる動画です。

まずは、相手のよかったところを指摘して感謝し、相手に栄養分を与える=わくわくさせる。そこから相手のミスを指摘する。例えばその指摘事項を達成したときのメリットを説明する。

良かったところは後付けでもよい。直してほしいところを指摘したい、ではどこが良かったのかを後から考えるやり方。 「思考の帰納法

これができれば自分も深い思考ができるようになる

一つのことを指摘するのにだいぶ時間がかかり「非効率」だが、後々ミスがなくなることを考えれば効率がよい。

 伝え方はこれを参考にするといいと思います。というか、上司からこういう指摘のされかたをしたらがんばれますよね。近年は指摘の仕方によってはすぐパワハラ認定されてしまいます。こういった指摘の仕方を覚えておくことは有益だと思います。これは上司から部下という方向ですが、部下から上司も同じと思います。お互い気持ちよく仕事したいですよね。

 こういったやりとりを続けていくと、信頼関係ができてます。信頼関係があってこそ、指摘はひびき、良いチームがうまれます

品質管理検定はオススメ

 基本的な不良対策について、手っ取り早く学ぶには品質管理検定(QC検定)が良いと思います。

 改善方法の具体的なアプローチ方法などを体系的に学習できるのでオススメです。4級はレベル的には新社会人の方向けですので、3級、できれば2級あたりがオススメ。普通に機械設計の仕事をしていれば3級はちょっと勉強すれば取れますよ。2級は統計学が出てくるので、統計学に慣れた人なら比較的楽に取れると思います。私は統計学苦手で3級しか持っていません。

 転職や名刺にもかける立派な資格ですのでいいと思います。

まとめ

不良が起きたら人のせいにせず、システムを変更せよ!

ミスするな!ではまたミスをする。いいところも褒めてから。

不良対策について、ざっくり学びたいならQC検定がオススメ!

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