計算書や図面をチェック(検図)するときの心構えとコツ

機械設計

 皆さん図面や計算書のチェックはどうしていますか?私は図面を書くほうが多いですが、他人の図面のチェックもしています。チェックする側とされる側の思いを愚痴りながら、なんとか身につけた心構えとコツについてまとめてみました。多分直接教わることはなく、感覚的に身に着けたものだと思います。

 設計者の皆様、教わらなかったことは常識だそうです。

図面チェック時の愚痴たち…

愚痴っている人のイラスト byいらすとや様
  • あの上司、チェックするたびに言うこと違うんだけどなんとかなんねーかな。前はこれでよかったじゃん。
  • どこまでチェックしたらいいんだろう?この前は中心線が短いって30分グチグチ言われたしなぁ。。。
  • コイツ(後輩)書類に絶対間違いがあるな。何度行ったらわかるんだ。
  • 今日はチェックして一日が終わりそうだ。ちょっと手を抜いてもいいかな。どうせダブルチェックであと一人チェックしてくれるから大丈夫でしょ。
  • この前不良対策会議があって設計の図面間違いに対する不良の対策がチェック回数増えただけだったな。回数増えてもかけられる時間は一緒で、その分時間が短くなってチェックの精度が下がるだけだから、意味ないのに…

 聞かれそうな愚痴の一例を上げてみました。これはほとんど自分が経験したことです。 

 心構えとコツ

 図面チェックは見る人(上司・同僚)によってかなり変わります。人によって違うので、相性が悪い人通しだと喧嘩が始まったりします。上で上げたような愚痴をすべて解決する方法はありません。

 そんな無法地帯で行く抜くためには 心構え と コツ が必要だと思います。

【心構えとコツ1】チェックされるときはすべてを受け入れる

 上司や同僚からチェックをされているときのコツは「すべてを受け入れる」です。スピリチュアルです。心だけは懺悔部屋に来た迷える子羊を救う牧師さんです。

 いい言葉でいうと「真摯に受け止める」でしょうか。

 人間のチェックというものはチェックする人の主観が入ります。その主観はあなたにとって受け入れられるものばかりではないでしょう。

 そんなときは「はい、わかりました。」と言いましょう。

 いわれたことも直します。たとえ自分がありえねーと思っていたことも。

 あなたは今業務中です。業務上の指示に逆らってはいけません。チェックする側は、される側が作成した図面や計算書を業務命令で直すのですから、責任重大なのです。

 チェックする側が明らかに間違えていた場合はチェックされる側からも指摘すべきですが、センスや感覚の問題からくる指摘は「真摯に受け止め」、さっさと終わらせましょう。

【心構えとコツ2】チェックするときは他人を信用しない

 反対に、チェックをするときはすべてを●●●●信用してはいけません。

 この図面は前あったやつをほとんどコピーペーストしたから半分チェックしなくていいとか、同じ形のものを毎回作っているからここは見なくていいとかはありません。全部見ます。思わぬ落とし穴があるものです。

 また、信用はない=裏切られることが前提なので、いつもおなじ間違いをしている人にイライラすることもありません。それが当たり前ですから。

 自分は下の言葉が大好きです。

信じる者は(足元を)すくわれる

 みんなあなたをだまそうとしています。

【心構えとコツ3】セルフチェック時は指差し確認がいい

 チェックするときに一番間違いを発見しやすいのは指差し確認です。電車の運転士さんや車掌さんも必ずやっていますよね。あれを製作図チェックにも取り入れると格段に間違えが減ります。

 CADデータに書かれている実線、細線、一点鎖線、二点鎖線、寸法、幾何公差、表面粗さ、注記、図面番号等、すべて指差しして確認してみてください。

 間違えの発見率が格段に上がります。

 この話は、私の尊敬する設計者である小堀さんという方がいて、その人のウェブサイトが非常にわかりやすく伝わってきます。後日紹介したいと思います。

まとめ

チェックされるときは神の心で!

チェックするときは世界の終わりの時の主人公で!

セルフチェックは車掌さんで!

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