幾何公差04 平行度

幾何公差

平行度は平面度と似ています。平面度はこちら。平面度との違いは、基準(データム)と比べるか、比べないかです。平行度は比べます。その他、ポイントとしてはΦの有無です。検証方法とともに解説していきます。 

平行度はデータムを表示する必要あり

平行度はある基準に対して、どれくらい平行かを示す幾何公差です。ですので、平行度は必ず基準となるデータムを表示してください。

平行度はΦの表示が必要な場合あり

データム指示箇所Φ表記
平面平面不要
平面必要
平面不要だがデータムを増やす等補足が必要
必要だがデータムを増やす等補足が必要
キャプション

平行度の場合、許容値にΦがつく場合があります。それは、指示対象が線の場合です。線というのは、例えば同芯度や真直度など、幾何公差が線上に定義されているということです。

基本的に線が出てきたらΦがつく、と思っていた方が良いと思います。

ただ、図面は色々な場合が考えられますので、Φの有無については限定できません。場面ごとに考える必要があります。

Φをつけるときのルールは他のサイトでいくらでも出ていますので省略。

検証方法について

データム、指示対象が面ならば検証方法は意外と楽

面に対しての平面度の検証は比較的簡単に行えます

なぜなら、計測器を設置する場所がデータムとして指定されているからです。実用データム形体上(データム面を定盤の上に合わせて置いた時の定盤の面)にダイヤルゲージホルダをセットし、平行移動させながら測定表面をなぞればよいです。

検証が難しいのはデータムや指示対象が線の場合

一方で同芯度や真直度などをデータムや測定対象として指示している場合は厄介です

基準を円筒の中心軸としている場合は、その円筒にちょうどしっくり入るような筒(マンドレル)を用意して、定盤の上に、Vブロックを設置しその上に筒を乗せる。基準が円筒形のボスであった場合は、そのボスにしっくり入るような治具を作成して定盤に乗せる、等が考えられます。

まずこれで基準位置が決まりますが、測定対象についても同様にする必要がある上、測定結果は結局ダイヤルゲージの振れなので、測定結果を計算する必要があります。

手間がかかる上に、精度は計算が入るので悪くなります。

平行度に関わらず、線のデータムや測定対象が出てきている場合は、測定方法を検討するよりは、三次元測定機、三次元スキャナ等が良いと思います。

まとめ

平行度はデータムつけて!

指示する場所が線ならΦをつけて!

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